建具の状態
建具の開聞や鍵、すべての具合を見ます。
完成してから未入居だった物件では、入居後に冷暖房を使用すると乾燥し狂ってきます。
「そのときの補修は誰がするのか」をとり決めておきましょう。」
屋内のひび割れ
「大きな壁面に対角線状にできたヒピ割れ」や「開口部の角から斜めにできたヒピ割れ」「壁面の中ほどに出ているヒビ割れ」などはいずれも、地震のときなどに柱や梁が揺れ、その力に壁材が耐えられなかったために生じたものです。
この場合、壁の量を増やし、「筋かい」を入れるなどの補強が必要になります。
天井のシミ
シミは、下屋(げや)・庇(ひさし)・ベランダなどの下方にある天井と壁、それに、下屋・戸袋(雨戸)回りの天井と壁をとくに重点的に点検します。
くり返しついたことがわかるようなシミの跡は、その原因となる個所の修繕が難しかったか、あるいは、根本的に直されなかったためと考えられます。
床の水平が保たれているか
内部を隅々までくまなく歩いて、チェックしましょう。
床材が擦れて音がしたり、床が沈む場所があったり、壁にヒピ割れがあったり、建具の開閉の不具合があったりした場合は要注意です。
その原因の一つとして地盤の不同沈下が考えられますが、この場合はほとんど修復できません。ほかに、未乾燥の木材を使用したために起きる場合もあります。
そういう建物は、「構造材」(土台・柱・梁など)のすべてが未乾燥材を使っていると思われるので、床の仕上げ材にまで影響をおよぼします。
築後10年もすると、経年による変化や劣化はさらに表面化しますので、そういう劣化が見られる建物を買うのは避けたほうが無難でしょう。
木材が自然乾燥してやせた床下の「根太材」(床板を支える材)は、模(くさび)を噛ませるなどして手入れをすることが必要です。
雨樋とバルコニーの排水
雨漏りの原因となりやすい場所にバルコニーがあります。外部の水が室内に入らないように、バルコニーは箱状になっていることが多いのですが、出入口の部分で箱の立ち上りが少なく、防水の処置が悪いと、部屋の中に雨水が入ります。
さらに、軒樋を掃除していないと、長い間に木の葉やホコリがたまります。竪樋の中にも詰まってしまい、雨水が溢れて屋根の軒先を傷めます。
敷地内の排水
「建物の内部の排水管が床下で外れてないか」「給排水管の周囲の木部が腐ってないか」を見ます。
建物回りの排水桝のフタを開けて、汚水(トイレの水)・雑排水(台所や浴室などの水)や雨水(竪樋の水)などの経路ごとに実際に水を流してみて、桝内にとどまることなく流れていくことを確認しましょう。
床下の通風や換気状態
土台や柱の足もと回りの点検は、和室の押入の床材や台所の床下収納庫をとり外し、床下に入ります。
そして、土台と柱回りの傷み具合を点検し、「シロアリなどが発生していないか」もチェックします。
外壁や基礎のひび割れ
基礎、とくに床下換気口周囲や外壁のヒピ割れは、地盤状況を判断する材料となります。
建物の外周を一回りして、ヒビ割れをいくつも見つけたら要注意。
外壁回りにヒビ割れを発見したら、それは問題物件です。
埋め立てた土地は、地盤沈下が問題となります。建物と玄関ポーチやテラスに隙聞や亀裂などを見つけたら、要注意です。
戸建中古住宅のチェック
軒や棟の線、外壁や基礎のヒピ割れ、床下の通風・換気は、丁寧に目で見て、わかることをチェックします。
何年か経過していて軒樋の形が変形していたり、乱れていたりしているような建物は、手入れが悪いと考えてください。
外部を見渡して、屋根面や棟の線・軒先の線が崩れているような建物は要注意です。
さらに、内部を確認するために、押入(天袋)の天井板を外して小屋裏をのぞきます。
「小屋裏の骨組みが乱雑な仕事ですまされていないか」を確認してください。木材は乾燥するとやせるために、補強金物のボルトがゆるんできます。
実際に手でさわって確かめましょう。