超高層マンションでは何に注意するか
超高層住宅では、まず第一に「風に大きく影響を受ける」ことがあげられます。
風圧が高いため、窓を開け放しにすると、突然、強風に襲われる恐れがあります。
また、洗濯物や蒲団などをバルコニーに干すことについて制限がつけられる例も多いようです。
窓の開閉による換気がしにくいために、ふつうは「常時換気システム」がついていますが、これは長期間住んだ場合、ほこりや湿気などが悪臭やカビの原因になりやすいので、フィルターを含めてその周辺をチェックします。
第二に、熱源機器についてですが、ガスを使うよりオール電化のほうが安心という考え方もあって、「電気熱源方式を採用している」ケースをよく見かけます。
キッチンの例をあげれば、料理好きの人がよく使う”ハイカロリーバーナー”に対応した電気調理器具には限度があります。
ご飯も、ガス炊飯器にこだわる人でも電気炊飯器で我慢しなければなりません。基本的な設備の方式を確認しておきましょう。
また、電気容量は建物全体のケーブルの太さに限界があるので、床暖房などをしたい人は最大契約可能な電気容量を確認しておきます。
最近は、「マルチヒートポンプエアコン」による風日の追い炊きまで含めた冷暖房システムが設置されるところもあるようです。
この方式はシステムによってランニングコストや各部屋の温度分布が違ってくるので、その点をチェックしておくと安心です。
第三のポイントとして、「エレベーターの台数が充分かどうか」も重要です。通学や通勤時になかなかこないようでは困ります。
それにエレベーターの移動距離や時聞が長いと、高齢者や幼児は出不精になりがちなので、家族構成によってはそのことも考慮する必要があります。
さらに、地上からの高さについては、「部屋の床の延長線より遥か下まで地面がないことを、居住者が感じたときに不安になる」可能性があることも考慮に入れる必要があります。
これを避けるために、超高層マンションではバルコニーの奥行きを一般のマンションより深くし、透視性のない手すりを用いることが多いようです。
第四番目に、超高層の建物は「地震や強風時に振動を吸収するために、一定の振幅の揺れを起こす」ことがあります。
マンションの構造によって揺れの大きさは違いますが、制振構造や免震構造を組みこんで揺れ方を小さくする工夫を施しているところもあります。
「どういう構造に設計されているか」を聞いて、揺れ方を認識すると、判断の手助けになるでしょう。
最後に第五番目のポイントとして、超高層建築物でとくに配慮しなければならないのが、設備の更新についての問題です。
「縦の給排水パイプシャフト・電気のシャフト・電気温水器置き場・メーター類設置場所などの空間に充分な作業のためのスペースがとられているかどうか」を確認してください。
これが確保されていないと、新しいシステムに対応できず、陸の孤島になってしまう恐れがあります。
先進諸国では条例で高層住宅の建設を禁止、既存の高層住宅を中層に改造しています。
呼吸器疾患、精神的疾患が上階ほど多いという研究成果が出、わが国でも同様通院率が高い。
上階ほど購入者に人気があることに専門家からは造り手にも警告をすべきです。