内覧会では何を見るか
新築のマンションでは建物が完成すると、売り主から「内覧会を行なうので見にきてください」という連絡があります。
これは戸建住宅でいえば「施工検査」に当たるものなので、必ず現場に足を運んで確かめてください。
その際、できれば建築家に頼んで一緒にいってもらって検査することをお勧めします。
また、巻尺・カメラ・フセンを用意していくとよいでしょう。
不具合な個所に”目じるし”をつけて写真に撮っておけば、直したあとの確認に役立ちます。
音のチェック
マンションのトラブルで多いのが、上階からの騒音です。
以前は床仕上げの主流はカーペットでしたが、最近はフローリングが多く、そのためにトラブルが増えているのです。
これについては、上の部屋に入れてもらって、飛び跳ねるなどして、実際にどんな音が出るか確かめてください。
隣家との間も同様で、壁を叩いて確かめてみましょう。
また、防音仕様のフローリングはクッション材が入っている場合があるので、歩くとふわふわとした沈むような感じがしますが、極端に沈む場合には、「幅木」(はばき)や玄関の「上がり桓」(あがりかまち)との接合部(部品と部品の接合面)に異常がないか注意してください。
「歩くたびに、その部分に口が聞いたような隙聞ができる」ときは問題であり動かないように改修する必要があります。
上階のトイレや台所の排水も、実際に音を聞いて確かめます。騒音と感じられるようなら、何か問題があるはずなので、改修してもらいましょう。
自分の住戸の近くにエレベーターがある場合も、「その音が気にならないかどうか」を確認してください。
断熱と換気のチェック
結露は断熱の不足によって生じますが、断熱工事をマンション購入後に行なうのはほとんど不可能です。
したがって、買う前に設計図や工事中の写真などで「きちんと断熱工事が行なわれたかどうか」を確認することが必要です。
結露は”換気”とも密接な関わりがあります。換気が悪く、室内の湿度が高いと生じやすいのですが、いままでのマンションでは窓を開けて、空気の入れ替えをするくらいがせいぜいでした。
しかし、最近は、窓開けの必要のない「セントラル換気システム」も見られるようになってきました。
これには、冷暖房機能も加えた「換気・冷暖房システム」もあります。
これらは、マンションの各部屋に張り巡らされた「空調ダクト」が天井のふところ内にまとめられて、外気との換気(および冷暖房)を自動的に行なうものです。
このシステムが導入されていれば、まず結露の心配はないでしょう。
最上階とピロティーのすぐ上の住戸については、”屋根からの日射”や”床からの底冷え”に対処するために、「天井や床の断熱をしているかどうか」で住み心地がまるで違います。
最上階は”屋根”(スラブ面)だけでなく天井にも断熱材が入っていることが必要で、天井裏が換気されて熱気がこもらないようになっていれば安心です。
しかし一方、ピロティーの上の階の住戸は、断熱材が入っていても床からの底冷えが厳しいことを知っておきましょう。